
白壁土蔵のなまこ壁、軒を連ねる格子窓の町家、瀟洒な佇まいの洋館……。倉敷駅から徒歩圏内にある倉敷美観地区には倉敷川沿いと本町通りをメインに、今もなお良好な状態で美しい街並みが継承されている。ゆっくり歩きながらミュージアム見学やカフェ巡り、買物などを満喫したい。
Photo: Naoto Shoji Text: Reiko Furuya

倉敷
岡山県の南部に位置する倉敷市は、美しい街並みで有名な倉敷美観地区や瀬戸大橋で知られています。
400年前まで海だった倉敷周辺は江戸時代に本格的に行なわれた干拓によって、陸地へと姿を変えていきました。米作りに不向きな土壌では塩に強い綿が栽培され、やがて天領として政治・経済の中心地に。かねてより交通の要衝であった高梁川の支流・倉敷川畔には商人が集まり、綿花産業の富を象徴する建物が軒を連ねました。そんな倉敷の歴史や街並みの保存を切り拓いた先人たちに思いを馳せながら、倉敷美観地区の美しい街並みをそぞろ歩きます。
散策のひと休みに「パーラー果物小町」へ。複合文化施設「くらしき宵待GARDEN」内にあるフルーツパーラー&カフェです。「本日のフルーツパフェ」は、旬の果物7種類前後をふんだんに使った贅沢な一品です。パフェに添えられたソフトクリームが、色とりどりの素材をより美しく際立たせます。濃厚な蒜山ジャージーミルクに独自開発の旬の果汁を極限の45%まで練り込んでいます。この日いただいたパフェにも清水白桃1個半分の果汁入りソフトクリームが使われていたとか。「岡山のフルーツのおいしさを一年中味わってほしい」というおもてなしの心と「果物王国・岡山」の実力を大いに見せつけられた至極のおいしさでした。
倉敷美観地区から足を延ばして、臨海エリアの水島へ。この地で70年以上、“確かな味”を守り続ける「焼肉飯店 よかろう」に立ち寄りました。レンガ造りの外観から一変、内部は築120年の古民家を活用した落ち着きある趣。店主の目利きで厳選した黒毛和牛を手頃な値段でいただけるとあって、連日地元客で賑わっています。こだわりは肉だけではなく、肉を焼く設備にも。肉の旨みをじっくり引き出す厚みのある鉄板を使っています。一品料理も充実の品揃えでした。





パーラー果物小町本店
倉敷美観地区、日本郷土玩具館の裏路地を入った複合文化施設「くらしき宵待GARDEN」内にあるフルーツパーラー&カフェ。果物王国・岡山のフルーツをふんだんに使ったオリジナルソフトクリームやフルーツパフェなどのスイーツが人気。電話での事前予約がおすすめ(約1か月前から予約開始)。

086-425-7733
- 住所
- 倉敷市中央1-4-22
- 営業時間
- 11:00〜17:00
- 休
- 月・火曜
(祝日は営業、翌水曜を振替休業)



焼肉飯店よかろう
倉敷市水島にて昭和29年より営業。店主の目利きで厳選した黒毛和牛を手頃な価格で提供する。肉のうまみを活かす自家製のタレは初代店主の頃から受け継いだレシピを基本に、トレンドや肉に合った味わいにアレンジ。焼き肉の他に「チーズチヂミ」や「石焼ピビンバ」など多彩なラインナップを揃える。

086-448-2850(メイン)
086-446-4110(サブ)
- 住所
- 倉敷市水島西栄町4-13
- 営業時間
- 17:00〜23:00(L.O.22:00)
- 休
- 水曜


船穂町
倉敷市の西部に位置する倉敷市船穂町は、隣接する高梁川の豊かな水量と温暖な気候に恵まれたエリアで、「ぶどうの女王」とも称されるマスカット・オブ・アレキサンドリアの一大産地。このぶどうを100%使用したワインを製造・販売するのが「ふなおワイナリー」です。
マスカット・オブ・アレキサンドリアの栽培には多くの手間がかかることや高齢化などにより栽培農家も減少する中で、先人たちから脈々と受け継いできたマスカット・オブ・アレキサンドリアの魅力を発信する施設として、地元の期待を背負って設立されました。
現在、ワイナリーでは、倉敷市と岡山理科大学が協力して作った新品種「マスカットシラガイ」を原料にした赤ワインの製造を計画しており、数年先の製品化に向けての意気込みを強く感じました。
ふなおワイナリー
2004年に設立されたワイナリー。倉敷市産のマスカット・オブ・アレキサンドリアを使ってワインを製造・販売する。試飲コーナーのほか、栽培の歴史やワイン作りの様子を学べる来客ホールも併設。ワイン、ジュース、地元産のお土産や雑貨なども販売。倉敷美観地区の倉敷アイビースクエア敷地内にはワイナリー直営店があり、こちらも人気。

086-552-9789
- 住所
- 倉敷市船穂町水江611-2
- 営業時間
- 9:00〜17:00
- 休
- 水曜、年末年始(12月29日〜1月3日)




浅口市
実は岡山は知る人ぞ知る、酒どころ。万葉集に歌われるほど古くから酒造りが行なわれてきました。三大河川の豊かで清らかな水と、肥沃な大地が育む良質な米に恵まれ、そこへ江戸時代に岡山西部地域で誕生した「備中杜氏」の技が加わったとあれば、酒造りが盛んだったのも頷けます。原料となる米をふんだんに使う備中杜氏の伝統を重んじる「嘉美心酒造」。瀬戸内海沿いの町、浅口市寄島で、米の旨味や甘みを存分に引き出した「米旨口」にこだわった酒造りを続けています。
酒造内に一歩、足を踏み入れると、早速酒粕の甘い香りが漂ってきました。ちょうどこの日はロングセラー「秘宝」の火入れの日。蔵人たちの威勢のいい声が飛び交っています。
伝統の味を追求する一方で、業界に先駆けて全館冷房の低温貯蔵や無濾過生原酒の発売に挑むなど、時代を先取りする革新的な気風も持ち合わせています。白桃酵母を使ったり、海中の牡蠣棚で酒を熟成させたりとユニークな酒造りで驚きと感動を与え続ける嘉美心酒造。今後のチャレンジにも目が離せません。
嘉美心酒造株式会社
1913年の創業以来、安全・安心を第一に米の甘みと旨味を存分に引き出す旨口の酒造りを続ける一方で、ユニークな製造方法でオリジナリティ溢れる銘柄を揃える。仕込み期間中は仕込み風景を見学可能。年4回開催する「蔵祭り」では蔵を開放し、限定酒が試飲できる他、ステージイベントなども。

0865-54-3101
- 住所
- 浅口市寄島町7500-2
- 受付時間
- 8:30〜17:00
- 休
- 4〜10月:土・日曜・祝日、お盆
11〜3月:月・日曜・祝日、年末年始 - 酒造
見学予約 - 3週間前までに要予約
(ネット、電話)























