放火犯の心理と狙われやすい家の特徴は?被害を防ぐ放火対策を解説

防犯 2026.03.27更新(2022.08.22公開)
放火犯の心理と狙われやすい家の特徴は?被害を防ぐ放火対策を解説

総務省消防庁が発表した資料によると、令和6年に発生した火災のうちで、出火原因が放火のものは2,377件、放火の疑いとされたものは1,527件でした。「放火」または「放火の疑い」とされた火災は、1日あたり約11件発生していることになります。放火被害を防ぐためには、狙われやすい家の特徴を知り、対策しておくことが重要です。

【この記事で分かること】

  • 放火犯は怨恨・復讐や承認欲求などの理由から火をつける
  • 狙われやすい家は、人目につきにくい場所にある、燃えやすいものが放置されているなどの特徴がある
  • 住宅周辺にゴミや新聞など燃えやすいものを放置しない、防犯対策を行うなどして放火防止につなげる

本コラムでは、放火犯が火をつける動機や被害状況、放火の被害に遭わないためにご家庭で気をつけたいポイントについて解説します。

出典:総務省消防庁「令和7年版 消防白書」

目次

放火犯の動機と被害状況

放火とは、故意に建物などに火をつけ、人命や財産に被害を及ぼし、公共の安全を害する危険な行為を指し、放火を行うと「現住建造物放火罪」または「非現住建造物放火罪」に問われます。
人が住居として使用している、または中に人がいる建造物等への放火は現住建造物等放火罪となり、死刑、無期懲役または5年以上の有期懲役と規定されています。
このように重大な犯罪行為であるにもかかわらず、なぜ犯人は放火するのでしょうか。

放火犯はなぜ放火するのか

放火の動機は、怨恨・復讐や承認欲求、ストレス発散、放火癖、利害による動機や保険金目的などがあります。

怨恨・復讐のため

放火の対象に強い恨みを持つ犯人の場合、重罪に問われることを承知で放火に至ってしまうケースがあります。この種の放火火災は大規模化し被害も甚大になることがあります。

承認欲求

報道されるような犯罪事件が起こると、マスコミやインターネット上で「その背景には犯人の承認欲求があるのではないか」と指摘されることがあります。放火という犯罪も例外ではなく、「自分に注目してほしい」「自分を見てほしい」「認められたい」という承認欲求が動機となり、引き起こされることがあります。

ストレス発散

日常生活の不満やストレスを解消するために放火が行われるケースがあります。不満やストレスの原因とはまったく関係がない人の住宅や場所に火を放つケースもあります。

放火癖がある

故意に火をつけたい衝動にかられ、火災を発生させることで満足感や安心感を得るという心理的な傾向のことを「放火癖」といいます。放火癖がある人物による放火は、他の動機による放火と比較して、繰り返して行われる可能性が高くなります。

利害による動機

「学校や会社が火事になれば行かなくて済む」「家にいることが辛い」など、自らの何らかの希望をかなえようとして自分の利害のために、放火に至るケース(放火癖によるものを除く)です。「いじめが辛く学校がなくなってほしい」という動機による放火事件も発生しています。

保険金目的

保険金の詐取を目的に、故意に火をつけて放火を装うケースもあります。故意に火をつけた場合、受取人になっていても保険金は受け取れません。

放火による被害状況

放火及び放火の疑いによる火災件数の推移

出典:総務省消防庁「令和7年版 消防白書」

総務省・消防庁のデータ「令和7年版 消防白書」によると、出火原因が「放火」および「放火の疑い」とされている火災は減少傾向にあるものの、令和6年には合計3,904件と依然として多く発生しています。割合としては、全体の火災3万7,141件のうち、10.5%を占めています。
ひとたび放火の被害に遭ってしまうと損害は甚大なものになり得ます。放火の被害に遭わないためにしっかり対策をしておきましょう。

放火犯の行動パターン

放火犯の行動には、犯行が行われる時間や放火されやすい場所などに共通の傾向が見られます。

放火が行われる時間

放火は、家を空ける人が増える15時から17時までに多く発生しています。また20時から0時の時間帯も多く発生しており、人目につきにくい深夜帯にも放火が行われやすいと考えられます。放火による被害は昼夜関係なく発生していることに注意が必要です。

出典:総務省消防庁「令和7年版 消防白書 - 資料編」

放火されやすい場所

人目の少ない外構やゴミ収集場所、物置などは古新聞やチラシ類などの燃えやすいものが放置されやすく、放火されやすい場所の1つです。
他にも、死角にあり、洗濯物が干してあるベランダも放火被害に遭うことがあります。また、屋外駐車場に停められた車やバイクのカバーに火をつけられるケースもあります。

◎まとめ
放火が行われる時間:13時から17時と20時から0時の時間帯が多い。
放火がされやすい場所:建物の外構部分や物置、ゴミ置き場など人通りが少ない場所が中心。
ベランダの洗濯物や、屋外に停めている車やバイクのカバーなどに火をつけられることがある。

放火されやすい家の特徴

放火のターゲットにされやすい家の特徴は、

  • 不用品やゴミが家の周りに放置されている
  • 人目につきにくい場所にある
  • 木造住宅
  • 防犯対策がされていない

などが挙げられます。

ゴミや燃えやすいものが放置されている

庭にゴミや不用品が置きっぱなし、軒下に段ボールが積み重ねられている、廃タイヤが放置されているなど、火をつけやすいものが家の周囲にあると狙われやすくなります。
また、敷地内だけではなく、外構やゴミ収集場所に燃えやすいゴミや落ち葉などが放置されている場合も、放火被害に遭うリスクが高くなります。

人目につきにくい場所への侵入が容易である

敷地外から侵入しやすく、人目につきにくい箇所があると、放火の被害に遭いやすくなります。放火犯は、人目につきにくいところを選んで放火を行う傾向があります。
また、空き巣や強盗目的で侵入し、証拠隠滅のために放火するケースもあります。人目がつきにくい死角があると、空き巣犯にも狙われやすいため、防犯対策が必須です。

一見して燃えやすそうな造りの住宅である

木造住宅や築年数が古く外観に劣化が見られる住宅は「燃えやすそう」と判断され、放火被害に遭うリスクが高くなります。

放火犯は犯行が明るみに出ることを避けたいため、防犯対策がされている家は避ける傾向にあります。
一方で、防犯対策が不十分な家は、犯行に及びやすく発覚の可能性が低いと見なされ、放火犯や空き巣犯の標的になりやすくなります。

空き家

総務省統計局の調査によると、2023年には全国に空き家は900万2,000戸程あるといわれています。空き家は放火犯に狙われやすい傾向にあります。

<空き家が放火犯に狙われやすい理由>

  • 簡単に侵入できる
  • 人目につきにくく犯行がバレにくい
  • 火を投げ入れても気づかれにくい
  • 枯れ葉やゴミなど、燃えやすいものが多くある

多くの空き家は長年放置されており、十分な管理がされていない傾向にあります。
空き家の所有者には管理義務が発生するので、相続などで空き家を所有することになった場合は注意が必要です。

出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査:住宅及び世帯に関する基本集計」

放火防止対策

放火防止対策

まずは、ご自宅の現状を見直し、「放火の被害に遭う可能性のある要素」を取り除いて環境整備を行いましょう。
以下のような対策を講じることで、放火被害のリスクを低減できます。

  • 燃えやすい物品を建物の外構や敷地内に置かない
  • 敷地内への出入口(門など)は施錠する
  • 防犯カメラやセンサーライトを設置する
  • 近隣の住民と交流する
  • ホームセキュリティを導入する

建物の外構や敷地内に燃えやすいものを放置しない

建物の周囲や駐輪場、物置の近くなどには、燃えやすいものを放置しないことが大切です。ゴミを出しっぱなしにしておくと、それを狙って放火される可能性があります。ゴミは決められた日時に、決められた場所へ出すことを徹底しましょう。
敷地内は整備し、燃えやすいものは物置への収納や処分を心掛けることが、放火されにくい環境づくりにつながります。

施錠を徹底する

勝手口や物置、ゴミ置き場への出入口なども含めて施錠を徹底することで、敷地内への侵入を防ぎ、犯行の抑止につながります。特に、人目につきにくい勝手口や小窓は狙われやすいため、注意が必要です。門扉や、侵入口になりやすい窓・勝手口には補助錠を設置すると、防犯性をさらに高めることができます。

センサーライトを設置する

センサーライトは、人の動きを検知して自動的に点灯します。夜間でも敷地内が突然明るくなることで、不審者に心理的なプレッシャーを与え、犯行を諦めさせる効果が期待できます。玄関まわりだけでなく、建物の裏側や死角になりやすい場所、ゴミ置き場周辺にも、センサーライトを設置するとより効果的です。

防犯カメラを設置する

放火を未然に防ぐ方法として、防犯カメラの設置が有効です。放火犯の多くは、犯行がバレることを避けたいため、防犯カメラが設置されている場合は犯行を避ける可能性があります。
万が一、放火や空き巣被害に遭った場合でも、防犯カメラの映像が証拠となり、犯人の特定や警察への相談時に役立ちます。設置する際は、録画機能の有無や夜間撮影性能なども確認すると安心です。

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防犯カメラは、ALSOKのセキュリティカメラ「HOME ALSOK Connect Eye」がおすすめです。屋外対応の無線式カメラで、工事不要で設置できます。人感センサーによる自動録画に対応しており、人の動きを検知するとスマートフォンに通知が届きます。センサーライト機能もついているため、犯罪抑止にもつながります。
万が一の際には、ALSOKにオプションで駆けつけを依頼できるため安心です。

近所の人と交流する

日頃から近隣住民とあいさつを交わし、顔の見える関係を築いておきましょう。地域での見守り意識が高まることで、不審者がうろついていれば早期に気づきやすくなります。
不審な人物や不審火の前兆と思われる行動を見かけた場合は、無理に対応せず、警察に相談することが大切です。地域ぐるみで防犯意識を高めることが、放火防止につながります。

ホームセキュリティを導入する

ホームセキュリティサービスは、ご自宅に設置したセンサーが不審者の侵入や火災を検知し、必要に応じて警備会社が駆けつけ、対応を行います。
放火の場合、火災の早期発見が被害拡大の防止につながります。防犯対策と防火対策を同時に強化できる点も、ホームセキュリティ導入の大きなメリットといえるでしょう。

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ホームセキュリティならALSOKの「HOME ALSOK Connect」がおすすめです。ALSOKのホームセキュリティは、「オンラインセキュリティ」「セルフセキュリティ」の2種類から選べます。オンラインセキュリティでは、異常発生時にはALSOKが駆けつけ状況に合わせて対応します。
セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしものときにはALSOKの依頼駆けつけが利用可能です。
ALSOKのホームセキュリティは、火災による温度変化や煙の発生も感知します。放火や空き巣といった犯罪被害の早期発見・対応ができることから、導入のご検討をおすすめします。

空き家管理サービスを利用する

すでに説明したとおり、管理がされていない空き家は放火のターゲットにされやすくなります。空き家の放火リスクを低減させる対策の具体例は、次のとおりです。

  • ゴミや枯れ葉などを片付ける
  • 戸締まり・施錠を徹底する
  • ホームセキュリティを導入する

外観から「建物の管理が行き届いており、家が常に見守られている」ということが分かるようにしておくことで、放火リスクを低減が期待できます。犯罪心理の観点からも「誰に見られている」「異常があれば第三者が対応する」と認識させることは犯罪に対する大きな抑止力となります。
空き家においては適切な管理を継続して行う必要がありますが、空き家と自宅が離れているなど、所有者自身が定期的にメンテナンスを行うことは難しい場合も考えられます。
空き家の管理は、プロに任せるのも1つの手段です。ALSOKの空き家管理サービス「HOME ALSOK るすたくサービス」は、空き家の防犯と管理を行うサービスです。長期不在の住宅に対し、見回りや郵便物の回収、整頓を行います。もしものときにはALSOKの駆けつけ対応も可能です(別途有償)。空き家の管理が難しいと感じている方は、ぜひ導入をご検討ください。

火災による逃げ遅れ防止策

火災による逃げ遅れ防止策

万が一、火災が発生した場合に人命を守るため、逃げ遅れを防止するための対策を行っておきましょう。

火災による逃げ遅れ防止対策の具体例は、次のとおりです。

  • 住宅用火災警報器を設置し、定期的に点検する
  • さまざまな出火場所を考慮して、避難経路を複数設定しておく
  • 避難経路にあたる通路には障害物となるものを置かない
  • 防火扉(防火戸)がある場合、開閉の障害となるものを置かない
  • 食器棚や本棚などが倒れて避難経路を遮断しないよう、転倒防止対策をする

住宅用火災警報器は、消防法に基づいて2006年(平成18年)から全国の住宅に設置が義務付けられています。逃げ遅れの防止のため寝室にあたる居室と階段部分(1階は除く)に設置の必要があると定められています。
住宅用火災警報器は、設置して10年が本体交換の目安です。住宅用火災警報器は古くなると内蔵電子部品の寿命のために火災を感知しなくなるおそれがあるため、設置から10年経過したら速やかに本体を交換しましょう。

まとめ

放火による被害を防ぎ、また、万が一の際の被害を最小限にするために、次の3つの対策を実施するようにしましょう。
1つ目は「放火されにくい環境づくり」です。燃えやすい物品を建物外部や敷地内に置かないなど放火されにくい環境をつくることが大切です。
2つ目は「住宅用火災警報器の設置・点検」です。万が一、火災が発生した場合にも、ご自身やご家族の命を守れるように、住宅用火災警報器を適正に設置・点検することが重要です。
3つ目はセンサーライトや防犯カメラ、ホームセキュリティなどの導入です。放火犯は、防犯システム機器を嫌うことが多く、放火を未然に防止する一定の効果が期待できます。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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