オゾンによる除菌・脱臭のメカニズムと効果的な利用方法
本記事では、オゾン除菌・脱臭のメカニズムや選ばれる5つの理由、使用時の注意点について解説します。
店舗やオフィス、医療・介護の現場など、多くの人が利用する空間では、菌やにおい、ウイルスへの不安を抱える管理者や担当者の方も少なくないでしょう。薬剤に頼らず、空間全体を効率よく清潔に保てる方法として近年注目されているのが、オゾンを利用した除菌・脱臭です。
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【この記事で分かること】
- オゾンが菌やにおいを分解するメカニズム
- オゾン除菌・脱臭が選ばれる理由
- オゾン除菌・脱臭が推奨される施設・業種
- 導入・使用時に注意すべきポイント
目次
オゾンとは?自然界にも存在するオゾンの基本
オゾンとは、成層圏(一般的にオゾン層) に多く存在し、そこでは有害な紫外線を吸収して生命を保護する役割を果たしています。
また、日常的に吸っている空気中にもオゾンは微量に存在し、大気を浄化する性質があるといわれています。
オゾンの除菌・脱臭のメカニズム
先に「オゾンには大気を浄化する性質がある」と述べましたが、ここではオゾンが除菌・脱臭を行うメカニズムについてご紹介します。
オゾンが菌やにおいを分解するメカニズム
オゾンは酸化反応を利用し、菌やにおいの原因物質を直接分解し破壊させることで、除菌・脱臭の効果を発揮します。
酸化作用による原因物質の破壊
酸素の化学式はO2、オゾンはO3です。つまり、オゾンの分子は酸素原子3つからできており、酸素の同素体であることが分かります。
オゾン分子を形成する3つの酸素原子=O3は、酸素(O2)と比較するとかなり不安定であるという特性を持っています。そのため、オゾンは菌やにおいの物質が近くにあると、酸素原子3つのうち1つを分離させて酸素(O2)になろうとします。一方、菌やにおいの物質はオゾンの酸素原子と融合することにより酸化させられ、破壊されます。
除菌・脱臭後の残留物質は「酸素」のみで安全
残った2つの酸素原子はO2=酸素となり、最終的に除菌・脱臭が行われた後の残留物質は酸素のみです。薬剤のような残留物を残さないため、安全性が高いといわれています。ただし、分解が完了するまでは強い酸化力を持つガスとして存在するため、稼働中や高濃度の環境下では取り扱いに注意が必要です。
空気清浄機との「除菌・脱臭方法」の違い
空気を正常にする働きを持つ機器として「空気清浄機」を連想する方は多いでしょう。しかし、空気清浄機とオゾン脱臭器による除菌・脱臭は根本的に作用が異なります。
空気清浄機は、空気中の微粒子など異物をフィルターによって除去することが主な作用となりますので、近くを浮遊しているものにしか効果はありません。また、フィルターを使って異物を吸着するため、年に1回程度、フィルター交換が必要となります。一方、オゾン脱臭器による除菌・脱臭は、菌やにおい成分を分解して空気を浄化します。飛んでいる菌やウイルス、臭い成分の分解のみならず、よくさわる机やイス、ドアノブなどに付着している菌やウイルスなどの除菌効果も期待できます。
| オゾン除菌・脱臭器 | 空気清浄機 | |
|---|---|---|
| 除菌 | ○ | △(フィルターを通過した空気のみ除去) |
| 脱臭 | ○ | ○ |
| ほこり | × | ○ |
| 花粉 | ○ | ○ |
| 定期清掃 | メンテナンス負担の少ない製品が多い | 定期的なフィルター掃除・交換が必要 |
| 有人環境での使用 | △(高濃度運転時は無人環境での使用が基本) | ○ |
オゾン除菌・脱臭が選ばれる5つの理由
オゾン除菌・脱臭が選ばれる理由として、次の5つが挙げられます。
- においの元を直接分解する脱臭力
- 除菌とウイルスの不活性化
- カビ胞子を分解する防カビ効果
- 害虫を遠ざける忌避効果
- 花粉のアレルゲン性を弱める効果
①芳香剤とは異なる「においの元からの脱臭」
室内の悪臭の主な原因は菌の発生です。芳香剤は別の香りでにおいを覆い隠す方法であるのに対し、オゾンは硫化水素やアンモニアといった悪臭成分の分子構造を酸化分解し、根本的なにおいの原因を除去して脱臭する効果があります。そのため、時間が経っても元のにおいが再び現れにくい点が特長です。
②除菌とウイルスの不活性化
オゾンは、アルコールや次亜塩素酸などの薬剤と異なり、空間全体に広がって隅々まで行き渡る点が特長です。そのため、薬剤では手の届きにくい場所や空気中に浮遊する病原体にも作用し、菌やウイルスの不活性化が期待できます。そうしたことから新型コロナウイルスをはじめ、2026年5月に大型客船での集団感染が報じられたハンタウイルスなど、さまざまな感染症への衛生対策や空間環境の維持を目的とした活用にも注目が集まっています。
③カビ胞子の分解による「防カビ効果」
オゾンは、発生してしまったカビを除去することはできませんが、カビの細胞組織を酸化分解し、胞子そのものを不活性化することで増殖を抑制します。空気中に浮遊した胞子にも作用するため、発生を抑える効果が期待できます。
④害虫が住みにくい環境をつくる「虫の忌避効果」
害虫は、フェロモンや体臭・糞尿をあちこちにつけて活動しますが、オゾン濃度が高まった空間は害虫にとって住みにくい環境をつくります。多くの害虫はオゾン特有の刺激を避ける性質を持っているため、殺虫剤を使わずに害虫の発生を抑制できます。ただし、オゾンで殺虫まではできないため、完全に害虫を除去したい場合は他の方法との併用が望ましいでしょう。
⑤アレルギー対策にもなる「花粉の不活性化」
オゾンの酸化作用によって、花粉の膜壁を破壊し不活性化させることができます。オゾンは花粉が持つタンパク質を酸化分解し、アレルゲンとしての働きを弱める効果が期待できます。花粉の多い季節の室内対策としても活用が広がっています。
オゾン除菌・脱臭器の導入が推奨される施設・業種
オゾンによる除菌・脱臭の導入が特に推奨される施設は、以下のような場所となります。
- 飲食店・食品工場
- 病院・介護施設・教育施設
- ホテル、喫煙所、公共トイレ
飲食店・食品工場(衛生管理とにおい対策)
食材の腐敗臭や調理臭が発生しやすく、衛生基準も厳しい飲食店・食品工場では、オゾンによる脱臭・衛生管理が適しています。オゾンは空間全体に広がるため、薬剤を使わずに厨房や作業エリアの空気環境を整えられるのが特長です。清掃や換気と組み合わせることで、より効率的な衛生管理につながります。
病院・介護施設・教育施設(感染症リスクの低減)
不特定多数が集まり、感染症リスクが高い病院や介護施設、教育施設では、衛生管理の徹底が欠かせません。オゾンは菌やウイルスを酸化分解する特性を持つことから、日常的な衛生管理の手段として活用されています。また、近年増加している薬剤耐性菌(抗菌薬が効かない細菌)への対策の1つとしても関心が高まっており、医療・介護・教育現場における空間環境の維持に役立っています。
ホテル・喫煙所・公共トイレ(不特定多数の利用)
不特定多数の人が利用するホテルや喫煙所、公共トイレは、においがこもりやすく衛生面の維持が課題となりやすい場所です。オゾン除菌・脱臭器を活用することで、清掃の手間を増やすことなく、清潔感のある環境を効率よく維持できます。
オゾン除菌・脱臭器を使用する際の2つの注意点
オゾン除菌・脱臭器を使用する際は、次の2点に注意が必要です。
- ゴムやプラスチックなど腐食しやすい物質への影響
- 稼働時に発生する特有のにおいと換気の必要性
①ゴムやプラスチックなど腐食しやすい物質への影響
オゾンは強い酸化力を持つため、ゴムやプラスチック製品を劣化・腐食させるおそれがあります。特に、長時間・高濃度で使用する場合には注意しましょう。使用する際は、ゴム製品や精密機器を部屋の外に移動させるほか、布などで覆って保護しておくことが重要です。
②稼働時に発生する特有のにおいと換気の必要性
オゾン除菌・脱臭では、オゾンが発生する際に特有のにおいが発生するうえ、高濃度のオゾン(目安濃度:0.1ppm以上)は人体に影響を与えるおそれがあるため、使用中は退室し、無人の状態で運転することが基本です。稼働終了後は扉や窓を開けて十分に換気を行い、においが薄まったことを確認してから入室するようにしましょう。
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ALSOKでも、オゾン除菌・脱臭器をご用意しています。使用する室内の広さや用途に合わせて、さまざまな機能やサイズの製品を幅広く展開。
「強力に除菌したい」、「すばやく瞬間脱臭したい」、「カビ予防効果がある機器を使いたい」など、あらゆるニーズに応じた機器を取り揃えております。
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まとめ
オゾンは強い酸化力によって菌やにおい、ウイルスの原因物質を直接分解し、分解後は酸素に変化する点が大きな特長です。芳香剤や空気清浄機とは異なる仕組みで空間全体に作用するため、飲食店や病院・介護施設、ホテルなど多様な現場で導入が進んでいます。薬剤を使わず、空気中の物質による化学変化だけで菌やにおいの元となる成分を抑えられる快適なオゾン除菌・脱臭器の導入を、この機会にぜひご検討ください。
オゾン除菌・脱臭器に関するよくある質問
Q:オゾン脱臭器は危険ですか?
A:オゾンの安全性は、濃度・使用時間・換気条件・機器仕様によって異なります。運転の可否や有人環境での使用可否は、各製品の取扱説明書に従って使用してください。
Q:オゾンはどのようなにおいがしますか?
A:オゾン特有のにおいは、雨上がりのグラウンドや雷が鳴った後の空気、森や滝の近くを思わせる、ややツンとした金属的な刺激臭に例えられます。少量でも感じ取りやすいにおいのため、稼働状況が分かりやすい点も特長です。
Q:部屋の精密機器が壊れることはありますか?
A:家庭用の微量オゾンであれば精密機器への影響は限られていますが、業務用の高濃度オゾンを長時間使用すると、金属のサビやゴム・プラスチック製品の劣化を引き起こすおそれがあります。精密機器や金属製品を扱う環境では、事前に保護対策を行うことをおすすめします。















